BEYONDS / UNLUCKY (LP+CD+DVD)

1993年にリリースされたBEYONDSの名作『UNLUCKY』がリマスターアナログ再発!

90年代の初頭のパンク・シーンにまったく新しい感覚を持ち込み、アンダーグラウンドからオーバーグラウンドまでその後のシーンに多大な影響を与えてきたBEYONDSの記念すべき1stがついにリマスターで再発。パッケージには当時ドイツのHEART FIRSTからリリースされた7インチ収録の「Arrogance Or Ignorance」をボーナス・トラックとして収録したCDと貴重なライブ映像を2ステージ収録したDVDを同封。

*BEYONDSについて*
僕がビヨンズを初めて見たのは1992年の春ぐらいのことだった。会場は高円寺20000Vで、当時僕がマネージメントをしていたヴィーナス・ペーターの古閑さんに教えられて見に行った。10人程度しかいない薄暗いフロアでみた彼らのライブの強烈さはいまでもよく覚えている。動きの激しいフレーズを止めることなく動き回るベース、下を向きながら強力なリフを繰り出すギター、高速のクラスト・ビートから鋭くテンションの切り返へしをこなすドラム、そして直立から腰を折りながら叫ぶボーカル、当時はまだめずらしかった短パンにスニーカーのスケーター・ファッションでのステージはそれまで見たことのないものだった。
いま振り返るとビヨンズのステージにはその後の90年代に大きく飛躍する日本のパンク・シーンの萌芽がすべて用意されていたのだと思う、もちろん同時期のニューキー・パイクス、ヴォリューム・ディーラーズ、ゴッズ・ガッツなどにも同じことが言えるだろう。 彼らの登場が80年代後半の東京のパンク・シーンに新たな感覚を持ち込んだことだけは確かだと思う。

1990年、91年は僕にとってはストーン・ローゼズやプライマル・スクリームに代表されるインディー、マッドチェスターの全盛期であり自分のレーベルもクリエイションやファクトリーなどの完全にUKインディーをに影響下にあったのだが、92年には前年までの熱病の余波(確実に変質しつつはあったけれど)はまだ続いていた、そんな時期に出会ったビヨンズはそれまでのレーベル・カラーなど気にしている場合ではないと思わせるほどインパクトが大きかった。
それからアルバムの制作のまでのあいだにメンバーと話し、いくつかのライブを見たことでビヨンズの背景を理解することができた。彼らを通して、のちにSuffy Smileを立ち上げる栄森さんが担当されていたUKメロディックのスナッフやレザーフェイスのリリース、80年代のUSハード・コア、とくにワシントンDCの状況などを知るようになる。

考えてみれば89年から91年は不思議な時期で、イギリスはローゼズの登場とともにインディー・ロックとアシッド・ハウスが大きなムーブメントになっていく、と同時にスナッフ、レザーフェイス、メガ・シティー・フォーなどの新しい感覚のパンクも頭角を表し、アメリカではグランジの登場とローカルなインディーの隆盛がはじまり、ディスコードのようなレーベルが大きな影響力を持ち始めオルタナティブという言葉がかつてないほどリアルになる。
世界各地が同時多発的に新しいサウンドを掲げ、インディーであることがさらに意味を深めていったタイミングなのだ。

その後日本でも90年代中旬にはインディー・シーンが大きく拡張してゆくのはご存知の通りだろう。
その起点でビヨンズの『UNLUCKY』が果たした役割は大きい、パンクをベースに様々なジャンルをハイブリットしたサウンドと谷口健の歌詞の世界観は発売から26年たった今でも強く響いてくる。
3月中にはメンバーのインタビューと過去の記事などを交えてビヨンズの新しさを検証する記事を用意しようと思う。

与田太郎 (KiliKiliVilla)

SIDE A:
1. Presence Of Mind
2. Auto Graphic
3. Bobbish Man
4. Surf Nazis Must Die
5. Dear Friends Gentle Hearts

SIDE B:
1. Salad Days
2. She Likes Tube Boy
3. Tools You Can Trust
4. I Can't Explain
5. Feddish Things

Arrogance Or Ignorance : CDのみ収録のボーナス・トラック



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