オススメ！東京を拠点に活動するアーティスト、サワリ音によるデビューアルバム。

空想と現実の狭間で揺れ動くような実に不可思議でユニークなサウンドを聴かせる東京在住の女性ソロアーティスト。ライブラリーミュージック、ドイツ電子音楽、アンビエントテクノ、マイクロハウスなどを横断するエクスペリメンタルな風情を漂わせる序盤に始まり、その後は歪で不定形なギター/ビート/シンセ/フィールドレコーディングなどに自在に表情を変えるヴォーカルを絡めたローファイサイケデリアや、コズミックなインスト曲など多彩に展開。全14曲収録。

Track List:
01. Rice Calculator (お米計算機)
02. Unreliable Narrator (信頼できない語り手)
03. Dry Pigeon
04. Bibliomancy Curse (書物占いの呪怨)
05. Damals
06. Ningen (人間の顔をした生物のようなもの)
07. Bedroom Incubation (布団の中の孵化)
08. Oneiros
09. Markia Hystrix
10. Psi-Fid Locomotion
11. Missing Researcher (行方不明の探求者)
12. The Envoy (使者) - DJ MEMAI Mix
13. Dedolloid
14. Emperor Antoku



インフォ：
SAWARI ONによる14曲入りデビューアルバム。映画サスペリアを彷彿とさせるOSTや、50年代の電子音楽をポスト・ロック〜アンビエント・テクノへ昇華させたような冒頭２トラックを皮切りに、 The Velvet Underground、The Shaggs、CAN、Terry Riley等、音楽的影響を隠さない実験的トラックが展開される本作。

心配になるほどLo-Fi感満載の予測不能で不安定なリズムやヘロヘロなギターからは、Shaggsを聴いている時のワクワクするような不安感が呼び覚まされ、またアシッド感溢れる楽曲からは、80~90年代にSpacemen3等を皮切りに流行したスペース・ロック、ネオ・サイケデリアが思い起こされる。 彼女の歌声もコミカルに変化する。Hope Sandoval（Mazzy Star）のような気怠い歌声を響かせたかと思うと、それはロボットボイスに変換され、時にはひょうきんにNicoの模倣を始めたりする。

ハープ（竪琴）、薩摩琵琶、メロトロン（磁気テープ再生キーボード）の他、フィールド・レコーディングで採取したと思われる波、街の喧騒、救急車のサイレンの音など、さまざまな環境音も聴こえてくる。

東京アンダーグラウンドシーンで活躍する即興ジャンクバンド・Fallopian Disco ForceのDJ MEMAI氏より‘Experimental Dream Pop’ と称される彼女のサウンドは時に悪夢を、時に幻獣が伸び伸びと生きる少女時代の桃源郷を見せてくれる。 (By MPPN)