東京在住のカナダ人トラックメイカー、Demskyの新作。

Tycho、Lemon Jellyといったアーティストから多大な影響を受け、ビートメイキングやポストロックシーンからも多くのインスピレーションを得ていると語るカナダ人のアーティスト、デムスキーの最新作。現在の世界が直面する様々な問題に関心を持って欲しいとの思いで制作。アンビエント、トリップ・ホップ、ヒップ・ホップ、IDMなどの要素を持ったエレクトロニック・ミュージック全6曲。

Track List:
1. Think Vast
2. The Man Of Science Travels To The Paper Sun
3. Continuum
4. Revolver
5. Nobu
6. The Clouds





私たち人間の内側の心を含む、この世界の様々な部分や側面をカバーする6曲で構成しています。ヨーロッパやアジア、カナダをツアーで巡りながら、地元の人たちと、彼らが愛しているもの、恐れているもの、熱望しているもの、今日の社会が抱える問題などについて話す機会に恵まれました。そこで気付いたのは、ある問題が特定の地域で深刻化する一方で、その地域以外では同じ事柄に関して無関心である場合が多いということ。人々は特定の社会の中でしか問題視されない出来事と向き合って生きています。私は、他人が直面している問題に関心を持つきっかけとなるような作品を作りたいと考えるようになりました。

ある日、ポーランドでのツアー中に聞いたアラン・ワッツのポッドキャストに印象に残る言葉があり、そこで"As Your Heart Beats"は生まれました。

「自然の摂理は心臓の鼓動に似ている。私たちは鼓動に対して何もすることはできない。強制して動かすこともない。心臓は自力で鼓動する。自らそうする。自然の摂理は、自由や愛があればあるほど、より秩序が保たれる。」

ポーランドでの滞在中、隣国のウクライナが初めて痛ましい攻撃を受け、ポーランド人の友人たちがすぐに国境まで助けに向かったのを見ました。また、その日のうちに街はウクライナ国旗で埋め尽くされ、ウクライナへの支持を示すようになりました。それは美しくも悲しい経験で今でも忘れることはできません。数日後東京へ戻った時、日本はウクライナの状況を心配しているのは明らかでしたが、隣国のポーランドがどんな状況にあるのか全く知るよしもなく、ニュースはパンデミックの話題で持ちきりでした。

このアルバムを通して、世の中で起こっていることに気付いて関心を持って欲しい。そして、心臓の鼓動が自然に起こるように、多くの出来事が気づかないうちに発生していることを知ってもらえたらと願っています。