『The Glow pt.2』に匹敵する作品であると同時に、フィル・エルヴラムの全キャリアを包括したと言える2枚組全26曲81分の大作にて傑作。
四半世紀にわたりUSインディのアイコンとして絶大な支持を受け続けるフィル・エルヴラム。
ザ・マイクロフォンズ復活作から4年、マウント・イアリとしては5年ぶりとなる新作は2枚組超大作
夭逝したパートナーの死をテーマとして制作された究極のシンガーソングライター連作『A Crow Looked At Me』(2017)&『Now Only』(2018)、その後日譚となるジュリー・ドワロンとの『Lost Wisdom pt.2』(2019)を立て続けに発表し圧倒的な評価を受けたマウント・イアリ=フィル・エルヴラム。続けて2020年には、マウント・イアリ以前のプロジェクト名であるザ・マイクロフォンズの18年ぶりの新作として全1曲44分44秒の超大曲『Microphones in 2020』を突如発表。各所で衝撃と絶賛をもって迎えられた同作以降は、故郷アナコーテスから移住した島での新生活にフォーカスを置くために創作活動から離れていたエルヴラムだが、2022年12月に入りレーベル設立以来の付き合いである7e.p.の20周年記念コンピレーション『COLORS』の為に新曲"Huge Fire"(本作にも収録)を書き下ろし、同年大晦日に発表。そこから爆発的な創作モードに突入。
そして完成した2枚組大作。完全アナログ録音&ミックスに立ち戻っての制作。『A Crow Looked At Me』のカバーに用いられたジョアン・カイガーの詩をモチーフにしたタイトル曲を皮切りに、愛娘の咆哮をフィーチャーした1分弱のM4から12分に及ぶ短編小説的なM25まで、日本の雅楽に影響を受けたアンビエンス&リズム、美麗フォーク、ノイズ、ドローン、驚くほど直球&爽快なインディ・ロックなど、尺もスタイルも多彩、洞察力充分の歌詞と刺激的な音像満載の全26曲。米Pitchforkの2001年最優秀アルバムであるザ・マイクロフォンズの大傑作『The Glow pt.2』との比較(同作収録"The Gleam pt.2"の続編も)を本人も否定しないほどに質量共に圧倒的、起伏に富み練り上げられたシークエンス、聴けば聴くほどに深みを増していく新たな代表作の誕生。
2012年以降のマウント・イアリ&ザ・マイクロフォンズの諸作品と同様に、本作もエルヴラム自身のレーベルP.W. Elverum & Sunがアナログを、7e.p.がCDを世界独占でリリース。
CD 1:
01. Night Palace
02. Huge Fire
03. Breaths
04. Swallowed Alive
05. My Canopy
06. Broom of Wind
07. I Walk
08. (soft air)
09. Empty Paper Towel Roll
10. Wind & Fog
11. Wind & Fog pt. 2
12. Blurred World
13. I Heard Whales (I Think)
14. I Saw Another Bird
15. I Spoke With A Fish
16. Myths Come True
CD 2:
01. Non-Metaphorical Decolonization
02. November Rain
03. Co-Owner of Trees
04. Myths Come True pt. 2
05. & Sun
06. Writing Poems
07. the Gleam pt. 3
08. Stone Woman Gives Birth To A Child At Night
09. Demolition
10. I Need New Eyes